
Artificial Intelligence
TDK、AI で製品の微細な欠陥を検出する「edgeRX Vision」
を提供開始
- TDK SensEI の「edgeRX Vision」は AI で製品の画像や動画を解析し、1mm ほどの小さな部品も高精度で欠 陥を識別する超高速検出システム。
- 本システムは、誤検出を減らしダウンタイムを最小限に抑えることで生産効率を向上させ、毎分で最大 2,000 個の製品を検査可能。
2025 年 7 月 15 日
TDK 株式会社(社長:齋藤 昇)は、グループ会社の TDK SensEI(社長:Sandeep Pandya)が「edgeRX
Vision」を新たに開発し、提供を開始することを発表します。「edgeRX Vision」は、高速な欠陥検出システムであり、製品の画像や動画を解析し、1 mm × 0.5 mm の小さな
部品まで高精度で識別することが可能です。
高度な AI を搭載した本システムは、リアルタイムかつ高精度な欠陥検出を実現し、誤検出を大幅に削減します。
TDK SensEI のセンサと edgeRX プラットフォームを連携することで、「edgeRX Vision」は不要な機械停止を最
小限に抑え、よりスムーズで効率的な生産フローを実現します。毎分で最大 2,000 個の製品を処理できるため、
わずかなダウンタイムの削減でも大幅な収益改善につながり、edgeRX Vision は高スループットの製造現場に不
可欠なソリューションとなります。
主な特長
- 高精度な製品欠陥検出
- 適応型学習と継続的な改善
- 誤検出および検出漏れの削減
- 製品ライン全体への拡張性
AI ベースのマシンビジョン(機械に視覚を持たせる技術)は、非常に高度で信頼性の高い技術へと進化してお
り、そのスピード、精度、適応性の高さから幅広い業界で採用されています。最新のシステムはエッジ AI を活用
して視覚データをリアルタイムで処理し、遅延やクラウドインフラへの依存を低減しています。DINOv2 や SAM
のようなトランスフォーマーベースのアーキテクチャや統合モデルにより、タスクごとの再学習を必要とせず、
検出・セグメンテーション・分類など幅広いビジョンタスクに対応可能です。これらのシステムは自己教師あり
学習(self-supervised learning)や少数ショット学習(few-shot learning)によりラベル効率も向上しており、デ
ータを準備するためのコストを削減しています。さらに、言語モデルとの統合によってマルチモーダル機能が導
入され、より直感的な人と機械のインタラクションが可能になっています。こうした進化と新たな機能によって
業界が変革しており、いまが「edgeRX Vision」を市場投入する絶好のタイミングです。AI 搭載のビジョンシス
テムは、これまでになくスケーラブルで堅牢、かつコスト効率にも優れており、高スループットの生産環境に不
可欠な存在となっています。
「edgeRX Vision は、エッジ AI による高速な欠陥検出機能により、TDK の既存の自動光学検査(AOI)能力をさ
らに強化します。このシステムは、1 mm × 0.5 mm という非常に小さな MLCC にも対応でき、卓越した精度を
誇ります。既存の仕組み上で AI を活用することで、誤検出を最小限に抑え、トータルコストを大幅に削減しまし
た。この改善により、過剰検査による機械の停止が減り、生産スループットが大幅に向上します。1 分間に最大
2,000 個の部品を処理できるため、わずかな時間短縮でも大きな収益増加につながります。」と TDK
Components USA の CEO である Ken Takekawa は述べています。
TDK SensEI の CEO である Sandeep Pandya は、次のように述べています。「edgeRX Vision の発売は、工場の
現場にインテリジェントな自動化をもたらすという私たちの使命において、重要なマイルストーンとなります。
AI の力を活用することで、edgeRX Vision は正確かつリアルタイムな欠陥検出を実現し、運用効率と製品品質を
向上させます。edgeRX センサとシームレスに連携するこのソリューションは、edgeRX プラットフォームの機
能を拡張し、製造業者に対してよりスマートで統合された高速生産へのアプローチを提供します。」
用語集
せずにリアルタイムでデータ処理を行うこと。
• トランスフォーマーベースのアーキテクチャ : アテンション機構を用いて視覚データを処理する深層学習モ
デルの一種(例:Vision Transformers や ViT)。従来の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)よりも高
い性能を発揮する 。
• 統合型ビジョンモデル : DINOv2 や Segment Anything Model(SAM)のように、検出・セグメンテーショ
ン・分類など複数のビジョンタスクを、個別のモデルを用意せずに実行できる AI モデル。
• 少数ショット学習 : ごく少数の例から新しいタスクを学習したり、新しいパターンを認識したりできるモデ
ルの能力。
• マルチモーダル AI : 画像やテキストなど異なる種類のデータを組み合わせて、視覚的質問応答や画像キャプ
ション生成などのタスクを実行するシステム。CLIP や BLIP-2 などのモデルが例。
• 誤検出/検出漏れ : 欠陥検出において、誤検出は良品を誤って不良品と判定すること。検出漏れは不良品を見
逃すこと。
• 自動光学検査 : Automatic Optical Inspection (AOI)
主な用途
- 電子機器製造
- 医薬品
- 食品・飲料
主な特長と利点
- 製品品質の向上:欠陥を一貫して検出し、高品質な製品を実現
- 誤検出の削減 : 不要な不良判定を最小限に抑え、生産ラインの円滑な運用を維持
- スループットの向上 : 精度を損なうことなく検査を高速化し、生産効率を向上
- 運用コストの削減 : 検査の自動化と手直しの最小化により、人件費や廃棄コストを削減
TDK 株式会社について
TDK 株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニー
を目指しています。 独自の磁性素材技術をその DNA とし、最先端の技術革新で社会の変革に貢献してまいりま
す。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で
1935 年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデン
サ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧
力、磁気、MEMS センサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電
池、ソフトウェアなどです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、
Tronics、TDK-Lambda があります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシュ
ーマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2025 年 3 月期の売上は
約 2 兆 2,050 億円、従業員総数は全世界で約 105,000 人です。
TDK SensEI について
TDK SensEI (Sensor Edge Intelligence)(本社:シンガポール)は、TDK の先進的なセンサシステム、高度なソ
フトウェア設計、機械学習の専門知識を統合したスマートプラットフォームソリューションの開発に注力してい
ます。これらのプラットフォームは、モーションセンサ、磁気センサ、マイクロフォンセンサ、電流センサ、温
度センサおよびバッテリー/エネルギーハーベスティングソリューションに至るまでのハードウェアコンポーネン
トと、ソフトウェアおよびエッジ AI テクノロジーを統合しています。それによってハードウェアとインテリジェ
ンスが強く結びつき、実用的な洞察が生まれ、予知保全とパフォーマンスの最適化が可能になります。
—–
報道関係者の問い合わせ先
グローバル
Mr. Kyle ARNOLD
TDK U.S.A. San Jose, CA, USA
+1 650 602-1761
Kyle.Arnold@tdk.com
北アメリカ
Mr. Michael JOHNSTON
TDK Sensei U.S.A, San Jose, CA
+1 408-205-6994
Michael.Johnston@tdk.com
日本
Mr. Katsumi HOASHI
TDK Sensei Japan
Chiba, Japan
+81 47-378-9954
Katsumi.Hoashi@tdk.com
中国
Mr. Jie BING
TDK Sensei China
Shanghai, China
+186 2196-1973
Jie.Bing@tdk.com