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産業機械の予知保全を実現する新プラットフォーム「edgeRX」を販売開始

2025年3

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、グループ会社のTDK SensEI(社長:Sandeep Pandya)が産業機械の予知保全を実現するプラットフォーム「edgeRX」を新たに開発し、3月17日から販売を開始することを発表します。edgeRXは最先端のイノベーションを提供することで、製造業におけるメンテンナス市場を大きく前進させます。

TDK SensEIのedgeRXは、AIを搭載したエッジセンサデバイスを用いて産業機械の状態監視を実現するプラットフォームです。先進的なAIアルゴリズム、エッジコンピューティング、高性能なセンサデバイスを統合することで、edgeRXは産業機械におけるリアルタイムな状態監視、保全の洞察、保守タイミングを通知するアラート機能を提供します。

edgeRXは専門家や大規模なセットアップを必要としない、速やかに導入可能な包括的なソリューションであり、エンジニアやメンテナンス技術者、プラントマネージャが先進的な予知保全を迅速に現場へ展開することを可能にします。重大な故障に至る前に潜在的な問題を検知することで、edgeRXは機械の稼働時間の最大化、メンテナンスコストの削減、全体の作業効率向上などを実現するために欠かせないツールとなります。

センサや受動部品におけるTDKの技術をベースとするTDK SensEIは、高い性能と信頼性を持った最先端のedgeRXプラットフォームの構築を目指していきます。

edgeRXの主な機能として、次のものが挙げられます。

• 統合型プラットフォーム :先進的センサ、ゲートウェイ、ダッシュボード、AIの全てを統合

• データ収集が容易 :自動的にデータを収集する適応性の高いシステム

• スマートな検出 :機械の様々な動作を自動的に認識およびラベリングすることが可能

• 正確なモニタリング :先進的な手法を用いて機械の動作上のあらゆる問題を分類、検知

• カスタマイズ可能なアラート :異常を検知する頻度や検出感度を調整可能

• 迅速な反応 :効率的な方法で、必要に応じて迅速に対応するシステム

• 継続的モニタリング :機械を常時監視し、障害を予知、予防

• スムーズな統合 :データ収集から各モデルの開発、展開までシームレスに動作するプラットフォーム

現在、機械や設備の状態を評価するプロセスはこれまでのCbM(状態基準保全)から、PdM(予知保全)へ急速に転換しています。PdMは、AIやIoT、センサフュージョンといった先進技術を駆使し、産業機械の状態をリアルタイムで監視するとともに、ダウンタイムの削減や生産性向上に繋がる洞察をもたらします。世界のPdM市場は急速に拡大しています。最近の報告によると、PdMの市場規模は2025年に130億米ドル拡大し、今後5年間でCAGR(年平均成長率)は35%増加すると予測されています。この成長は、テクノロジーの進展、AIの採用、そしてインダストリー4.0の加速によってさらに促進されます。

「製造業のオペレーションにおいて、機械の状態を最適に維持することは、メンテナンスコストを低く抑え、生産効率を高く保つ上で欠かせません。AIはそれを実現するために重要な要素ですが、製造業ではAIを導入することの難しさを以前から感じていました。」とTDK SensEIのCEOであるSandeep Pandyaは述べています。「edgeRXプラットフォームは、AI導入の難しさの課題を解決し、最適な機械状態を実現することが可能です。このたび、我々はedgeRXを発表することができて嬉しく思います。」

TDK株式会社の社長である齋藤昇は、次のように述べています。「edgeRXは、2024年半ばのTDK SensEI設立当初にまさに私たちのチームが市場投入を目指していた革新的な製品そのものです。edgeRXは、AIの実装によって日々のメンテナンスに関する課題を解決する製品であり、製造業にとって極めて重要な転機をもたらすと確信しています。」

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用語集

• エッジ コンピューティング: データが生成される場所の近く (ネットワークの「エッジ」) でデータを処理し、クラウド コンピューティングと比較して遅延と帯域幅の使用量を削減するテクノロジー。

• CbM (状態監視): リアルタイム データを使用して機器の状態を継続的に評価する監視手法。これにより、事前に決められたスケジュールではなく、機械の実際の状態に基づいてメンテナンスの決定が可能になります。

• PdM (予知保全): データ分析と予測アルゴリズムを使用して機器の故障を発生前に予測し、タイムリーな保守を可能にし、ダウンタイムを最小限に抑える保守戦略です。

主な用途

• 製造向けインダストリアルIoT

• 状態基準保全、予知保全、処方的保全

• 機械学習プラットフォームおよびアプリケーション開発

主な特長と利点

• リアルタイム監視 : マシンの状態を継続的に監視し、潜在的な問題を即座に検出し、ダウンタイム

を最小限に抑えることができます。

• 予測メンテナンスの洞察 : 高度な AI アルゴリズムを使用して、障害が発生する前にメンテナンスの必要性を予測し、予期しない故障とメンテナンスのコストを削減します。

• 実用的なアラート : リアルタイムの通知とアラートをエンジニアやプラントマネージャに送信し、情報に基づいた迅速な意思決定を可能にします。

• すぐに使用できる包括的なソリューション : 大規模なセットアップや専門的な統合の必要性がなくなり、監視システムの迅速かつ手間のかからない導入が可能になります。

• シームレスな統合 : 既存のシステムとスムーズに統合し、データ収集からモデル開発、展開までのプロセスを合理化し、全体的な運用効率を向上させます。

TDK株式会社について

TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。

当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。

アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2024年3月期の売上は約2兆1,030億円、従業員総数は全世界で約101,000人です。

TDK SensEIについて

TDK SensEI (Sensor Edge Intelligence)(本社:シンガポール)は、TDKの先進的なセンサシステム、高度なソフトウェア設計、機械学習の専門知識を統合したスマートプラットフォームソリューションの開発に注力しています。これらのプラットフォームは、モーション、磁気、マイクロフォン、電流センサから温度およびバッテリー/エネルギーハーベスティングソリューションに至るまでのハードウェアコンポーネントと、ソフトウェアおよびエッジAIテクノロジーを統合しています。それによってハードウェアとインテリジェンスが強く結びつき、実用的な洞察が生まれ、予知保全とパフォーマンスの最適化が可能になります。

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製品の詳細情報はwww.sensei.tdk.com/edgerxで参照できます

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報道関係者の問い合わせ先

神野

TDK株式会社広報グループ

+81 3 6778-1055

TDK.PR@tdk.com